18歳意識調査 第78回 — 6カ国若者意識レポート 2026
日本財団 2026年4月発表

18歳意識調査 第78回
6カ国の若者たちは今、
何を感じているか

国や社会に対する意識(6カ国調査)完全解説レポート
対象:17〜19歳 各国1,000名 実施:2026年2月 6カ国:日本・米・英・中・韓・印
日本 アメリカ イギリス 中国 韓国 インド
01

自分の国の重要な課題

日本・韓国は少子化・高齢化、アメリカ・イギリスは差別・貧困、インドは教育・貧困が最大の課題。「移民の増加」「自然災害」を上位に挙げたのは日本だけ。

韓国の若者の64%が「少子化」を自国最大の課題と認識している
日本41.5%を20pt以上上回る。韓国の合計特殊出生率は0.7台まで低下。

日本のトップ5課題

  • 1少子化41.5%
  • 2高齢化37.1%
  • 3経済成長27.9%
  • 4移民の増加19.2%
  • 5自然災害16.3%

韓国のトップ5課題

  • 1少子化64.0%
  • 2高齢化51.6%
  • 3経済成長25.1%
  • 4教育の質23.9%
  • 5気候変動・温暖化17.8%

アメリカのトップ5課題

  • 1人種差別・偏見36.8%
  • 2貧困30.9%
  • 3テロ・犯罪24.0%
  • 4教育の質22.4%
  • 5気候変動・温暖化21.3%

インドのトップ5課題

  • 1教育の質40.9%
  • 2貧困33.7%
  • 3環境汚染31.1%
  • 4経済成長21.1%
  • 5テロ・犯罪20.8%
注目ポイント

「移民の増加」「自然災害」が上位5項目に挙がったのは日本のみ。「経済成長」はアメリカを除く5カ国の上位5項目に共通して登場した。

02

自国の現在・10年後の競争力

日本の若者は「医学・科学技術」「スポーツ」「教育・文化」の競争力を評価。ただし「軍事・防衛」は約40%と、他国(70%超)より大幅に低い。10年後はインドが全分野で上昇予測、韓国は全分野で下降予測。

日本における現在の競争力評価(「高い」+「どちらかといえば高い」)
各分野について他国と比較した競争力の高さを回答
医学・科学
73.1%
73.1%
スポーツ
69.3%
69.3%
教育・文化
66.4%
66.4%
社会保障
57.9%
57.9%
環境・EG
48.5%
48.5%
経済・GDP
46.9%
46.9%
外交
44.7%
44.7%

「軍事・防衛」の競争力:6カ国比較

「競争力が高い」と答えた割合
インド
83.3%
83.3%
中国
77.8%
77.8%
韓国
75.0%
75.0%
米国
74.2%
74.2%
英国
69.9%
69.9%
10年後の見通し

インドは全8分野で「今後強くなる」が現在を上回り、全国中最大の楽観主義。韓国は「環境・エネルギー」以外の全分野で現在を下回り、最大の悲観主義を示した。日本は「軍事・防衛」「外交」で予測値が上昇。

03

自国の将来をどう見るか

「国の将来は良くなる」と答えた割合で、日本は6カ国中ダントツの最下位。「どうなるかわからない」が34.2%と最も多く、将来への不確実感が突出している。

日本の若者で「自国の将来は良くなる」と答えたのはわずか15.6%
インド(61.8%)の4分の1以下。6カ国中断トツの最下位。
「自国の将来は良くなる」と答えた割合
インド
61.8%
61.8%
中国
54.8%
54.8%
英国
34.0%
34.0%
米国
30.8%
30.8%
韓国
23.5%
23.5%
「良くなる」の時系列変化(第62回→第78回)
2024年から2026年の変化
+0.3pt
日本
15.3→15.6
+4.5pt
米国
26.3→30.8
+9.4pt
英国
24.6→34.0
-30.2pt
中国
85.0→54.8
-17.9pt
韓国
41.4→23.5
-16.5pt
インド
78.3→61.8
衝撃の変化:中国若者の楽観が崩れた

中国では「良くなる」が2年間で85.0%から54.8%へと約30pt急落。不動産バブル崩壊や若者失業率の上昇など、経済への不安が若者意識を大きく変えた可能性がある。

04

自分自身をどう見るか

日本の若者は「日々の生活で不安やゆううつを感じる」以外のほぼ全項目で6カ国中最下位。不安は他国と同水準なのに、夢・個性・回復力への自己評価は著しく低い。

62.4%
将来の夢を持っている(日本)
インド86.3% / 英国83.1%
58.6%
人に誇れる個性がある(日本)
インド83.7% / 英国82.6%
56.8%
困難でも前向きに回復できる(日本)
インド81.4% / 米国77.0%
66.6%
不安やゆううつを感じる(日本)
米国67.4%とほぼ同水準
「将来の夢を持っている」6カ国比較
インド
86.3%
86.3%
英国
83.1%
83.1%
米国
80.2%
80.2%
中国
74.0%
74.0%
韓国
71.6%
71.6%
不安はある。でも夢も、個性も、回復力も見えない——日本の若者の矛盾した内面
「不安やゆううつを感じる」は他国と同水準。しかし前向きな自己評価は断トツで最低。
05

社会参加意識と政治観

社会参加に関する全項目で日本が6カ国最下位。「自分の行動で社会を変えられる」は52.7%にとどまる。政治が生活に影響するとわかっていても、変えられないという無力感が深い。

項目日本米国英国中国韓国インド
政治・選挙は生活に影響する74.3%78.1%66.5%76.9%73.5%
新しいことを学び続けたい81.7%84.0%77.6%82.0%85.5%
国や社会に役立つことをしたい76.7%79.7%78.3%75.4%83.7%
責任ある社会の一員だと思う74.3%80.5%75.8%74.2%84.4%
自分は大人だと思う71.1%76.6%66.3%54.9%79.4%
行動で国や社会を変えられる66.7%66.3%69.5%60.8%78.0%
ボランティア活動に参加したい74.2%73.0%73.5%73.6%81.6%
慈善活動のために寄付したい75.4%77.8%70.7%71.2%82.8%
日本だけが全項目で最下位

社会参加関連の全6項目で日本が最下位。特に「慈善活動のための寄付(57.7%)」はインド(82.8%)と25pt以上の差。「政治は影響する」のに「変えられない」という政治的無力感も際立つ。

06

生活満足度と人生の価値観

日本では生活満足度の全5項目が6カ国最低水準。特に「自分の人生への満足」が63.3%と低い。人生で大切なものとして「趣味・好きなこと」を1位に挙げたのは日本だけ(他5カ国は「家族」が1位)。

63.3%
自分の人生に満足(日本)
英国79.0% / インド78.0%
72.8%
家族との関係に満足(日本)
日本で最も高い満足項目
48.0%
人生で一番大切なこと:趣味(日本)
他5カ国の1位はすべて「家族」
11.4%
「セルフケア・寛ぎ」が大切(日本)
他国25〜35%。日本は最低水準
人生において大切にしたいこと — 日本1位と他国1位の比較
日本だけが1位
趣味・好きなこと
48.0%
他の5カ国すべてが1位
家族
米50.2% / 英52.0%
中39.2% / 韓54.1% / 印56.2%
07

なぜ学ぶのか、何の仕事に就くか

「学校で勉強する意味が特にない」と答えた日本の若者は約20%。仕事を選ぶ基準も「特にない」が18%と他国を大幅に上回る。なりたい職業では「芸能・音楽・美術」が1位だが、「特にない」も22.5%と突出して多い。

学校で勉強する意味「特にない」の割合
米国
2.8%
2.8%
英国
2.0%
2.0%
韓国
2.6%
2.6%
中国
1.5%
1.5%
インド
1.0%
1.0%

日本の「なりたい職業」上位5

  • 1芸能・音楽・美術20.5%
  • 2観光・宿泊・飲食14.1%
  • 3教師・講師・保育士10.6%
  • 4医師・看護師・介護士10.5%
  • 5公務員10.2%
  • 「特にない」22.5%

インドの「なりたい職業」上位5

  • 1ソフトウェア技術・開発23.3%
  • 2公務員18.0%
  • 3芸能・音楽・美術17.5%
  • 4デジタルインフルエンサー13.8%
  • 5医師・看護師・介護士12.8%
  • 「特にない」1.0%
日本だけにない「独立・起業」志向

仕事選びの重視項目の上位10位に「独立することができるか」を挙げたのは日本以外の5カ国すべて。日本のみリストに入らなかった。起業・独立への関心の低さが顕著に表れた。

08

生成AIへの意識と活用

日本は「生成AIを使ったことがない」が18.3%と6カ国断トツ。一方で情報源として「生成AI」を最も信頼する割合は日本が唯一上位に。AI活用の遅れと、使った人の高い信頼感が並存している。

「生成AIを使ったことがない」— 日本18.3%、インド1.6%。その差、11倍以上
インターネット先進国でありながら、生成AI活用で6カ国最下位という現実。
生成AI「未使用率」の6カ国比較
米国
10.9%
10.9%
英国
9.2%
9.2%
中国
3.5%
3.5%
韓国
2.6%
2.6%
インド
1.6%
1.6%

生成AIの主な利用目的(日本・使用経験者)

情報収集
28.1%
28.1%
文章作成
27.7%
27.7%
理解を深める
23.7%
23.7%
悩みを聞く
21.8%
21.8%
暇つぶし
21.7%
21.7%
「悩みを聞いてもらうため」が日本で4位

AIを感情的サポートに使う日本の若者が約22%。「不安やゆううつを感じる」割合の高さとも符合。AIをカウンセラー代わりに使う層の存在が示唆される。

生成AIのリスク認識(日本の上位5項目)

誤判断に気づけない
77.0%
77.0%
バイアスがある
75.4%
75.4%
思考力の低下
74.5%
74.5%
透明性不足
73.9%
73.9%
仕事の減少
71.0%
71.0%
AIが活用されるべき分野(6カ国共通)

6カ国共通で「SNS上の有害投稿の検出」「進学・キャリアのアドバイス」「気候変動の予測や災害対応」が上位3位。「政策決定」「恋愛マッチング」「宗教の助言」は6カ国共通で下位3位。

09

調査が示す「日本の若者」の現在地

数字が浮かび上がらせるのは、「変わりたいが変えられない」「不安だが夢が描けない」という日本の若者の内なる矛盾。同時に、医学・科学・スポーツへの誇り、AIへの批判的思考力など確かな強みも存在する。

日本の若者の「強み」

  • 科学技術・スポーツへの誇り
  • AI・技術リスクへの批判的思考
  • 少子化・社会課題への問題意識
  • ジェンダー役割規範への懐疑
  • 感情を率直に認識できる

日本の若者の「課題」

  • 自己肯定感・自己効力感が最低
  • 国の将来への希望が薄い(15.6%)
  • 社会参加・ボランティア意欲が低い
  • 学び・仕事への目標が不明確
  • 生成AI活用が6カ国最下位
主要指標 6カ国ランキング(日本の位置)
各指標で日本が何位かを示す(1位=最高、6位=最低)
指標日本の値6カ国中最高国
「国の将来は良くなる」6位インド 61.8%
「将来の夢を持っている」6位インド 86.3%
「人に誇れる個性がある」6位インド 83.7%
「行動で社会を変えられる」6位インド 78.0%
「留学・海外就労をしたい」6位インド 81.0%
生成AI「未使用率」最多インド 1.6%
勉強する意味「特にない」最多インド 1.0%
「自国の競争力:医学・科学」73.1%中位韓国 86.8%
数字は批判のためにあるのではなく、次の一歩を考えるための羅針盤だ
若者がそう感じる社会を、私たち大人がどう変えていくかが問われている。