本ページはプロモーションを含みます

※本記事には広告(PR)が含まれます。

早わかり

  • 焙煎とは、生豆に熱を加えて味と香りを引き出す工程です
  • 浅いほど酸味が立ち、深いほど苦味が出ます。これが最大の違いです
  • 焙煎度は一般に「浅煎り・中煎り・深煎り・極深煎り」の4分類、細かくは8段階で呼ばれます
  • 「深煎り=濃い」ではありません。濃さを決めるのは焙煎ではなく、豆の量と抽出です
  • 同じ豆でも、焙煎度が変われば湯温も挽き方も変わります
  • 迷ったら、まず中煎りから。基準ができると、好みが言葉にできるようになります

家で淹れたコーヒーが、店で飲むものと違う。豆は同じくらいの値段なのに、なぜか物足りない。

その理由の多くは、腕ではなく焙煎度の選び方にあります。

浅煎りと深煎りは、同じ「コーヒー豆」という名前で売られていますが、中身はほとんど別の飲みものです。合う淹れ方も違えば、向いている場面も違います。

この記事では、その違いを整理します。専門用語はできるだけ避けて、次に豆を買うときに使える形にします。

焙煎とは、何をしているのか

まず前提から。私たちが買っている茶色い豆は、もともと茶色ではありません。

収穫されたままのコーヒーの実の種は「生豆(きまめ)」と呼ばれ、白っぽい緑色をしています。そのままでは、コーヒーとして飲めません。

この生豆に熱を加えていく工程が焙煎(ばいせん/ロースト)です。熱によって豆の内部で化学変化が起き、私たちが知っている苦味・酸味・香りが生まれます。

加熱の深さが、そのまま味になる

どこまで熱を加えるかを焙煎度と言います。

浅いところで止めれば酸味が残り、深く進めれば苦味が前に出る。ごく単純に言えば、これだけです。

ただし焙煎は、同じ味を再現するのが難しい工程でもあります。熱の加え方や時間が少し違えば、仕上がりは変わります。同じ「深煎り」でも、店によって味が違うのはそのためです。

だから「銘柄」より先に「焙煎度」を見る

豆を選ぶとき、多くの人は産地名を見ます。ブラジル、コロンビア、エチオピア。

もちろん産地でも味は変わりますが、初心者にとっては焙煎度のほうが違いがはっきり分かります。産地の差より、浅煎りと深煎りの差のほうが、はるかに大きいからです。

まず焙煎度で好みを決めて、それから産地を探す。この順番のほうが、遠回りになりません。

焙煎度は、一般に8段階で呼ばれます

大きくは「浅煎り・中煎り・深煎り・極深煎り」の4つ。さらに細かく、次の8段階の呼び名が使われます。

段階 呼び名 味の傾向
浅煎り ライトロースト ごく浅い。飲用より試験用に使われることが多い
シナモンロースト 酸味が強く、香りは軽やか
中煎り ミディアムロースト 酸味主体。すっきりして飲みやすい
ハイロースト 酸味と苦味のバランス型。喫茶店で多い
深煎り シティロースト 苦味が出はじめ、コクが増す
フルシティロースト 苦味主体。アイスコーヒー向き
極深煎り フレンチロースト 強い苦味。ミルクに負けない
イタリアンロースト 最も深い。エスプレッソ向き

※呼び名と味の対応は、店や焙煎士によって幅があります。表は一般的な目安としてご覧ください。

覚えなくてかまいません。店頭で見かけたら「これは4分類のどのあたりか」と考えるだけで十分です。

浅煎りと深煎り、味はこう変わる

四つの要素に分けて見ると、違いがはっきりします。

酸味

浅いほど強く出ます。ここでいう酸味は、レモンのような鋭いものではなく、果実や紅茶に近い明るさです。

焙煎が進むと、この酸味は熱で失われていきます。深煎りに酸味がほとんどないのは、飛んでしまったからです。

苦味

深いほど強く出ます。苦味は生豆にもともとあったものではなく、焙煎によって新しく生まれるものです。

焦げに近い香ばしさも同時に出るため、深煎りは「香ばしい」と表現されます。

コクと質感

深いほど、口に残る厚みが出ます。舌の上に少し留まるような感じです。

浅煎りは反対に、すっと通り抜けます。紅茶に近い、と言われるのはこの質感のためです。

香り

ここが面白いところで、香りの種類が変わります。

浅煎りでは、花や果実のような、豆そのものの個性が出ます。産地の違いが分かりやすいのは浅煎りのほうです。

深煎りでは、ナッツやチョコレートのような、焙煎由来の香りが前に出ます。産地の個性は隠れていきます。

豆の個性を知りたいなら浅め、焙煎の香ばしさを楽しみたいなら深め。そう整理しておくと選びやすくなります。

よくある三つの誤解

誤解①「深煎り=濃い」

いちばん多い誤解です。

深煎りは苦いので濃く感じますが、濃さを決めているのは焙煎度ではありません。豆の量と、お湯の量と、抽出時間です。

浅煎りでも豆を多く使えば濃くなりますし、深煎りでも薄く淹れられます。

「濃いのが好き」と思っている方は、実は「苦いのが好き」なのか「濃度が高いのが好き」なのか、いちど分けて考えてみてください。答えが変わることがあります。

誤解②「深煎りのほうがカフェインが多い」

苦い=強い、というイメージからくる誤解です。

カフェインは焙煎の熱でほとんど分解されないため、同じ重さで比べれば、焙煎度によるカフェイン量の差はわずかです。

ただし、実際に淹れるときには差が出ます。焙煎が進むと豆は水分を失って膨らみ、軽くなるからです。スプーンで量る場合、同じ杯数なら深煎りのほうが豆の重量は少なくなり、結果としてカフェインもやや少なくなります。

カフェインを控えたい方が深煎りを選ぶのは、この意味では理にかなっています。

誤解③「酸っぱいのは古い豆だから」

これも分けて考える必要があります。

浅煎り由来の酸味は、明るく、後に残りません。一方、時間が経って酸化した豆の酸っぱさは、こもったような、舌に張りつく不快さがあります。

両方とも「酸っぱい」と表現されるため混同されがちですが、別のものです。

浅煎りが苦手だと思っていた方が、焙煎したての浅煎りを飲んで印象が変わることは、しばしばあります。

どちらを選ぶか

好みから選ぶ

  • 紅茶や緑茶が好き → 浅めが合いやすい
  • ビターチョコレートが好き → 深め
  • コーヒーは苦手だが飲めるようになりたい → 中煎りから
  • ミルクを入れて飲む → 深め(薄いと負けます)

場面から選ぶ

:目を覚ましたいなら、すっきりした中煎り。胃が弱い方は、空腹時の深煎りが負担になることがあります。

午後:甘いものと合わせるなら深め。焼き菓子やチョコレートとよく合います。

:カフェインを気にするなら、スプーン計量で深煎りのほうがわずかに軽くなります。ただし、量を減らすほうが確実です。

体質から選ぶ

胃が弱い方は、深煎りより中煎りのほうが楽なことがあります。ただしこれは個人差が大きく、逆の方もいます。

飲んだあとに胃が重くなる日が続くようなら、焙煎度を変えるより、飲む量と時間帯を見直すほうが早いかもしれません。

30秒セルフチェック

あなたに合うのは、どのあたりですか

A/ブラックで飲む・果実のような香りに惹かれる・紅茶もよく飲む → 浅煎り〜中煎り

B/砂糖もミルクも入れない・すっきり飲みたい・毎日飲む → 中煎り

C/ミルクを入れる・甘いものと合わせる・香ばしさが好き → 深煎り

D/エスプレッソやカフェラテが好き → 極深煎り

焙煎度が変われば、淹れ方も変えます

ここを知らないまま同じ淹れ方を続けていると、「この豆は好みじゃなかった」と誤解することになります。

お湯の温度

浅煎りの豆は成分が出にくいため、高めの温度が向きます。目安として92〜96度くらい。

深煎りは成分が出やすく、高温だと苦味と雑味まで出てしまいます。80〜88度あたりに落とすと、角が取れます。

温度計がなければ、沸騰後に一度別の容器に移し、少し待つだけでも違います。

挽き方

深煎りは粗め、浅煎りは細かめが基本です。理由は温度と同じで、出やすさの調整です。

深煎りを細かく挽くと、苦味が出すぎます。「この豆は苦すぎた」と感じたとき、豆ではなく挽き方の問題だったということがよくあります。

抽出時間

深煎りは短め、浅煎りは長めが目安です。

浅煎りで物足りないときは、まず湯温を上げ、次に時間を延ばす。この順で試すと原因が分かります。

一度に一つだけ変える

これがいちばん大事かもしれません。

温度も挽き方も同時に変えると、何が効いたのか分かりません。一杯につき、変えるのは一つだけ。三回も試せば、自分の好みの位置が見えてきます。

買うときに見るところ

焙煎日

賞味期限より、こちらを見ます。

焙煎してから数日置いたあたりから飲み頃に入り、二週間ほどが目安とされることが多いようです。粉で買う場合は、さらに早く風味が落ちます。

スーパーの棚に長く並んでいた豆と、焙煎したての豆では、同じ深煎りでも別物になります。家のコーヒーが物足りない原因は、腕ではなく鮮度であることがかなりあります。

豆の見た目

深煎りの豆は、表面に油が浮いていることがあります。これは焙煎が深い証拠で、劣化ではありません。

ただし、浅煎りなのに油が浮いている場合は、時間が経っている可能性があります。

粉ではなく豆で買う

ミルがあるなら、豆のまま買って都度挽くほうが、焙煎度の違いをはっきり感じられます。

手動のミルでも十分です。むしろ、挽く時間そのものが、家でコーヒーを飲むことの一部になります。

— 選択肢 —

焙煎度の違いを知るには、飲み比べるのがいちばん早い

説明を読むより、浅煎りと深煎りを続けて飲むほうが早く分かります。とはいえ、何種類も買い置きすると古くなってしまうのが難しいところです。

焙煎したての豆が毎月届く定期便なら、少量ずつ違う焙煎度を試せます。好みが決まるまでの期間には向いた買い方です。

Kurasu スペシャルティコーヒー定期便

豆の袋に書いてあることの読み方

焙煎度が分かってくると、豆の袋の表示が読めるようになります。順に見ていきます。

「ブレンド」と「シングルオリジン」

ブレンドは複数の産地の豆を混ぜたもの、シングルオリジンは単一の産地のものです。

ブレンドは味の設計がされているぶん安定していて、価格も抑えめです。シングルオリジンは産地の個性がそのまま出ます。

ここでも順番があって、産地の個性を楽しむのは、焙煎度の好みが決まってからで構いません。先にシングルオリジンに手を出すと、産地の違いなのか焙煎度の違いなのか区別がつきません。

「スペシャルティコーヒー」

品質評価の高い豆を指す言葉です。生産地や農園まで追えることが多く、浅めの焙煎で提供されることが多い傾向があります。

価格は上がりますが、浅煎りの香りを知るには近道です。逆に、深煎りが好きだと分かっている方が無理に選ぶ必要はありません。

「粉」か「豆」か

袋に「粉」と書かれている場合、すでに挽いてあります。手間はかかりませんが、風味の落ちは早くなります。

また、挽き方が固定されるため、焙煎度に合わせた調整ができません。粗さを変えられないという制約は、思っているより大きいものです。

抽出器具の指定

「ドリップ用」「フレンチプレス用」などと書かれていることがあります。これは挽き目の指定で、器具が違うと味が変わるためです。

自分の器具と違う指定の粉を買うと、うまく出ません。豆で買えば、この問題は起きません。

それでも合わないと感じたときの確認順

買った豆がおいしくない。そう感じたとき、犯人を絞る順番があります。

①鮮度を疑う

焙煎日を確認します。一か月以上前なら、まずこれが原因です。豆の質や焙煎度の話ではありません。

②湯温を疑う

沸騰したてを直接注いでいませんか。とくに深煎りでは、これだけで苦味と雑味が出ます。

③挽き目を疑う

苦すぎるなら粗く、薄いなら細かく。一段階だけ変えます。

④分量を疑う

意外に多いのがこれです。豆の量を量らずに淹れていると、日によって濃さが変わります。

スケールがなくても、スプーンの数を毎回そろえるだけで再現性が上がります。味を判断するには、まず同じ条件で淹れられることが前提です。

⑤最後に、焙煎度を疑う

ここまで確認して、それでも好みでないなら、焙煎度が合っていません。反対側に振ってみてください。

この順番を守ると、「この豆はハズレだった」で終わらずに済みます。多くの場合、豆は悪くありません。

コーヒーの時間そのものについて

最後に、味から少し離れた話を。

豆を挽き、湯を沸かし、蒸らして待つ。この一連の作業には、三分から五分かかります。効率だけを考えれば、無駄な時間です。

けれど四十代になると、何かを待っている時間そのものが貴重になってきます。待っているあいだは、何も判断しなくていいからです。

焙煎度を選ぶという行為も、突き詰めれば効率とは関係ありません。好みを知るために三か月かける、というのは、日常のなかでは贅沢な部類に入ります。

それでも、その三か月のあいだに増えるのは、コーヒーの知識だけではないように思います。自分は何が好きなのかを、少しずつ言葉にしていく作業でもあります。

毎日のことなので、効きます。

焙煎度別に、合わせるものを考える

コーヒー単体で好みを決めるより、何と一緒に飲むかまで含めて考えたほうが、生活には馴染みます。

浅煎りに合わせるなら

果実系の香りがあるので、酸味のあるものと相性がよくなります。柑橘のタルト、ベリーの入った焼き菓子、フルーツそのもの。

反対に、甘さの強いチョコレート菓子と合わせると、酸味だけが浮いてしまうことがあります。

中煎りに合わせるなら

ほとんど何にでも合います。基準として置いておくと便利なのは、この万能さのためでもあります。

朝の食事、昼のサンドイッチ、来客時。迷ったらこれ、が成立するのは中煎りだけです。

深煎りに合わせるなら

ビターチョコレート、ナッツ、焼き菓子。乳製品にも負けないので、カフェオレにするならこちらです。

当サイトではコーヒーとチョコレートの組み合わせについても書いています。

食後か、食間か

意外に見落とされますが、飲むタイミングでも合う焙煎度は変わります。

食後は口の中に味が残っているので、深めのほうが負けません。食間や、何も食べずに飲むときは、浅めや中煎りのほうが体に軽く感じられます。

器具を買い替える前に

先ほど「効果が大きいのは鮮度と焙煎度」と書きましたが、器具についても少しだけ触れておきます。

ミルは、効果が分かりやすい

器具のなかで、いちばん違いが出るのはミルです。挽きたてかどうかは、はっきり分かります。

ただし高価なものである必要はありません。手動でも、粒の大きさがそろうものであれば十分です。

ドリッパーの形は、後回しでよい

円錐か台形か、穴の数がいくつか。こうした違いも味に影響しますが、鮮度や焙煎度に比べれば小さな差です。

今あるもので、まず焙煎度の好みを決めてしまうほうが早く進みます。

ケトルは、注ぎ口だけ見る

細く注げるかどうか。ここだけが実用上の差です。

細口のケトルがなければ、いま使っているものでも、ゆっくり注げば近いことはできます。

飲まない日があってもいい

好みを決める話をしてきましたが、最後にひとつだけ。

毎日飲まなければいけないものではありません。

眠りが浅い時期、胃の調子がよくない時期、気持ちが落ち着かない時期。そういうときは、量を減らすか、しばらく休んでかまいません。

コーヒーは習慣になりやすい飲みものなので、いつのまにか「飲まないと始まらない」状態になっていることがあります。選べているかどうかを、ときどき確かめてみてください。

おいしいと思って飲む一杯と、切らすと落ち着かない一杯は、同じ味でも別のものです。

純喫茶の深煎りと、カフェの浅煎り

もう少しだけ、実感に寄せた話をします。

昔ながらの純喫茶で出てくるコーヒーは、多くが深煎りです。厚手のカップに、濃く見える黒い液体。あの記憶を持っている方は多いと思います。

一方、近年増えた小さなカフェでは、浅めの焙煎が主流です。透けるような明るい色で、酸味があり、産地名が細かく書かれている。

好みが割れるのは、当然です

この二つは、同じ飲みものとして比べるには離れすぎています。

「最近のカフェのコーヒーは薄い」と感じる方は、深煎りの記憶が基準になっています。逆に「昔ながらの喫茶店のは焦げくさい」と感じる方は、浅煎りが基準です。

どちらが正しいということはありません。基準がどこにあるかの違いです。

家では、両方を持っておける

店では選べませんが、家なら二種類置いておけます。

朝はすっきり中煎り、午後に甘いものと合わせるときは深煎り。そういう使い分けができるのは、家で淹れることの数少ない利点です。

実際に飲み比べた記録は、ドンキ・キリマンジャロ・無印のコーヒー豆を比べた記事にもまとめています。お店の一杯については純喫茶レトロ20選個人カフェ20選もどうぞ。

三か月で、好みは決まります

最後に、現実的な進め方を書いておきます。

一か月目:中煎りを基準にする

まず中煎りを一種類、続けて飲みます。毎回違う豆を試すと、基準ができません。

二か月目:両側に振ってみる

浅煎りと深煎りを、それぞれ試します。中煎りとの差として感じられるので、違いが分かりやすくなります。

ここで「どちらが好きか」ではなく、「どちらが自分の生活に合うか」で見てください。おいしいと思っても、朝に飲みにくければ続きません。

三か月目:位置を決めて、産地を試す

焙煎度が決まったら、そこから産地を変えていきます。この順番なら、変数が一つずつなので迷いません。

三か月かかると聞くと長く感じるかもしれませんが、毎日飲むものの好みが決まると、そのあと何年も効きます。

保存で、味は変わります

せっかく選んでも、保存で落ちてしまうともったいない。ここは単純な話です。

敵は、空気・光・湿気・高温

密閉できる容器に入れて、暗くて涼しいところに置く。これだけで違います。

買ったときの袋のまま、口を折って輪ゴムで留めている場合は、密閉容器に移すだけで一段変わります。

二週間で飲みきれないなら冷凍

冷蔵室は、出し入れのたびに結露するため向きません。長く置くなら冷凍庫のほうが安全です。

使うときは、必要な分だけ取り出してすぐ戻します。全部を出して常温に戻すと、そのたびに結露します。

粉で買った場合は、早めに

粉は空気に触れる面積が大きいぶん、豆より早く風味が落ちます。粉で買うなら、少量ずつ。

家で「店の味」に近づけたいなら

最後に、順番の話をします。家のコーヒーを良くしたいとき、手をつける順番はだいたい決まっています。

①鮮度(焙煎日の新しい豆にする)→ ②焙煎度(好みの位置を見つける)→ ③挽き方(豆で買って都度挽く)→ ④湯温⑤器具

多くの方が⑤から入りますが、効果が大きいのは①と②です。器具を買い替える前に、豆を変えてみてください。

喫茶店の一杯が特別なのは、腕もありますが、回転が速くて豆が新しいという事情も大きいのです。

おわりに

浅煎りと深煎りの違いは、優劣ではありません。方向が違うだけです。

そして自分の好みは、飲み比べないと分かりません。説明を読んで「たぶん深煎りが好き」と思っていた方が、浅煎りを飲んで変わることもあります。

今日のところは、次に豆を買うときに焙煎度の表示を見る。それだけで十分だと思います。見る習慣がつくと、一杯ごとに情報が増えていきます。

よくある質問

浅煎りと深煎りの違いは何ですか

焙煎で熱を加える深さの違いです。浅いほど酸味が強く、豆本来の産地の個性が出ます。深いほど苦味とコクが強くなり、ナッツやチョコレートのような焙煎由来の香りが前に出ます。焙煎度は一般に浅煎り・中煎り・深煎り・極深煎りの4つに分けられ、さらに細かく8段階の呼び名が使われます。

深煎りのほうがカフェインは多いのですか

いいえ。カフェインは焙煎の熱でほとんど分解されないため、同じ重さで比べれば焙煎度による差はわずかです。ただし焙煎が進むと豆は水分を失って膨らみ軽くなるため、スプーンで量ると同じ杯数でも深煎りのほうが豆の重量が少なくなり、結果としてカフェインもやや少なくなります。

深煎りは濃いコーヒーということですか

違います。濃さを決めるのは焙煎度ではなく、豆の量とお湯の量、抽出時間です。浅煎りでも豆を多く使えば濃くなり、深煎りでも薄く淹れられます。苦いのが好きなのか、濃度が高いのが好きなのかを分けて考えると、選びやすくなります。

酸っぱいコーヒーは古くなっているのですか

別のものです。浅煎り由来の酸味は明るく後に残りませんが、酸化した豆の酸っぱさはこもった感じで舌に張りつきます。浅煎りが苦手だと思っていた方が、焙煎したての浅煎りで印象が変わることはよくあります。

焙煎度によって淹れ方は変えるべきですか

変えたほうが本来の味に近づきます。目安として、浅煎りは高めの温度(92〜96度)で細かめに挽き、深煎りは低めの温度(80〜88度)で粗めに挽きます。試すときは一度に一つだけ変えると、何が効いたのか分かります。

初心者はどれを選べばよいですか

中煎りをおすすめします。酸味と苦味のバランスが取れており、基準になるからです。基準ができると、次に飲んだ豆を「これより酸っぱい」「これより苦い」と位置づけられるようになり、好みを言葉にできるようになります。

ABOUT ME
運営者グレイスのプロフィール画像
グレイス
考察好きなブロガー。日々の心の重荷を、心理・思想・歴史・暮らしの知恵から静かにほどく——そんな長文の読み物を「日常の温もり」で綴っています。